イフェクサーSR(ベンラファキシン)について考える

ひさしぶりの新しい抗うつ薬、イフェクサーSR。

一般名ベンラファキシンで、セロトニン・ノルアドレナリン両方に作用するSNRIとしては、3番目にあたります。
日本では新薬といっても、海外では既に15年前から売られている薬。
以前からベンラファキシンという名前で、我々業界では話題になっていました。

専門医からこの薬を一言で言うと、
玄人(くろうと)向けの薬。
専門医以外は処方しない方がよい感じがします。
それくらい使い方に特徴があります。

まず1つめ。
必ずお試し期間を設けないといけないこと。
用量用法は1日量が
1錠(75mg),2錠(150mg),3錠(225mg)の3段階ですが、
最初に必ず半錠(37.5mg)を1週間使い、安全性を確かめねばなりません。
しかもお試し用の半錠は使い続けてはならぬというルールもあります。
薬を出して、はい終わりっというドクターには向きません。

2つめ。
使い方にひと工夫がいる、というより簡単ではない。


例を挙げると、1錠(75mg/day)ではセロトニン効果でリラックスできて眠りやすくなる。なので夕食後が良い。
しかし3錠(225mg/day)ではアドレナリン効果で気力が高まる。
なので朝食後が良い。そうしないと3錠(225mg/day)を夕食後に飲むと、眠れなくなるという事態が発生します。

1日何錠内服するかによって、効き目も内服する時間も変わるという珍しい薬です。

しかも気力に関係するノルアドレナリン効果は高用量からしか発揮できません。

たとえていうならば、昔のターボ車に搭載されていた”どっかんターボ”みたいなものです。
エンジンを回して、ある回転域から突然ターボが利きだすという感じです
(昔のフェアレディZとか、スターレットターボとかどっかんターボでしたね。昭和が懐かしい)。


3つめ。
でかい。

イフェクサーSRの75mg錠。
とにかくでかい。
他の薬のふたまわり分くらい大きいです。
一番気になったところです。
患者さん、飲み込めるかなと思いました。

ただカプセル錠なので、カプセルをはずして中身だけを飲み込めばOKかもしれません。
ここは実際、実物を見て考えましょう。

ただ処方する立場からすると、ぜひ使ってみたいです。
効き目がシャープで治療成績もかなり良いようです。
やはり海外のデータが豊富というのが強みです。
吐き気やむかつき等の副作用もあるけど、これも使い方等でなんとか軽減できそうです。

言うなれば、日本で充分活躍したプロ野球選手の田中まー君が、大リーグで1年目からバリバリ活躍していくようなものです。

医師のさじ加減(用量設定)で効果が変わる薬ですが、そこは患者さんと効果を確認しながら使いこなしていきたいです。


安全安心を確保しつつ、新しい治療にもチャレンジしていきます。
イフェクサーSRを使って下さる方、ぜひ情報を共有して一緒に病気を治していきましょう。

以上、診察室からお届けしました!

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