
病院やクリニックにかかると、領収書と一緒に発行される紙が処方箋(しょほうせん)。
この処方箋には薬の種類や使い方について記されています。
たとえば風邪ならば、
鼻水を抑えるためにA薬、
咳を沈めるためにB薬、
AとBを一緒に1日3回食後に1週間服用。
熱がでたらC薬を適宜飲んでね。
てな具合です。
処方箋は書かれた通りに薬を服薬すれば、(医師の頭の中の理論上は)風邪がよくなり回復する段取りです。
処方箋はいわば、料理でいうレシピです
(ちなみに処方箋やカルテに、Rpというマークをつけます。Recipe(レシピ)の文字から来ています)。
実は処方箋には、もう一つあります。
それが今回ご紹介する”行動処方箋”です。
行動処方箋とは何か?
それは、病気を治すために患者さんにやって欲しい行動のこと。
同じく風邪でたとえると
「温かくして寝てください」
「外出は控えてください」
「しょうが湯を合間に飲んでください」
なるものです。
つまりこれらの行動を起こす事によって、病気からの回復が速まる手段を指します。
ただしこの行動処方箋。
ものすごく大事だけど、意外に軽んじられます。
そもそも患者さんも、そんな行動処方箋という紙、受け取ってないよと思うでしょう。
そりゃそうです。
医師が診察の時に言ったときの言葉、
それが行動処方箋ですから。
ただ言葉で言っているため目に見えないので、その場では理解しても記憶にとどまりにくいのです。
薬の処方箋は実物という形で、後からでも再生できます。
しかし行動処方箋は、患者さんがメモしたりしっかり記憶にとどめない限りは、忘れ去られる場合もあります。
でも私は、行動処方箋をいかにたくさん提供できるか、患者さんにぴったりの行動処方箋をあみ出せるか、患者さんの行動を変えるくらいの印象的な行動処方箋をお渡しできるかが、臨床医とのしての技量だと考えています。
なので行動処方箋を日々考案中。
形になるように、このホームページやブログで掲載していきます。
以上、診察室からお届けしました!!