
ある診察室の風景。
私「(患者さんの大変だった出来事を聞いて)
それはつらかったですねぇ。大変でしたでしょう?」
Aさん「大変だったっていうか、難儀だったです」
わかりましたか?この微妙な食い違い感。
このようなやり取りは意外と多いです。
私たち(精神科医)の仕事は、患者さんのその時の気持ちを”言葉で”シンプルに言い当てる事です。
自分の気持ちとぴったり合った言葉を言ってもらえると、まるで合い鍵を見つけた扉のように、すっと開きます。
こころの扉が開く瞬間です。
その合い鍵になり得る言葉を見つけるのが、私たちの仕事です。
しかし、たまに難易度の高い方がいて
「こんな気持ちなのでは」と思っていった言葉が、本人の気持ちにぴったりハマらない事があります。
「そんな時は不安な気持ちになりますよね」
「不安というか焦りです」
私の方が焦ります、この微妙な食い違い感。
(焦っていない風に装うのも技術です)。
そして違っているよという意味を示すのが”ていうか”。
この言葉は実は結構ツラいです。
まだまだ自分の力量不足を実感。
なので、日々精進。
皆さんの心の扉を開けるカギ探し奮闘中です。
目指せ、カギ職人。
以上、クリニック
ていうか
診察室からお伝えしました!!←同じだろ!!